私の出会った愛すべき人たち

だいたい1日1件更新。これまでに出会った印象的な人やものごとを記録。

23歳のゾンビ

大学時代の男友だちで異常なほどのゾンビマニアがいる。

どれくらいゾンビが好きかというと、将来の夢はゾンビになることだと本気で言い切っ程たくらいだ。

 

「漫画が好きだから、漫画家になりたい!」とか「服が好きだからデザイナーになりたい!」みたいなこというと、必ず「読むのが好きなのと、作り手になりたい気持ちを混同するな!」とか「好きを仕事にすると苦労する!」とかって苦言を呈する頭でっかちがでてくるものだけれど、この時ばかりは私も思った。

 

「好きだからって簡単にゾンビになれると思うなよ…」

 

そんなゾンビ志望の彼は、だいすきなゾンビ映画を見たときはちびまる子ちゃんの野口さんみたいな「クックックックッ」って笑い方するし、自己紹介の際はもれなく得意のコサックダンスを披露するし(いまだに何故なのか理由がわからない…サービス精神?)、どこで手に入れたのかわからない等身大ガイコツをマネキン代わりに使用してるし、とにかく特異なキャンパスライフを送っていた。

 

(ただ、誤解のないように付け加えておくと、彼は友だちも多く、優秀で、私が所属するゼミのゼミ長でもあった)

 

そんなと彼が大学4年生の頃に突然、

「実は…俺には秘密がある。もう卒業も間近だし、そろそろ◯◯(私)には打ち明けようと思う…」と言ってきた。

 

その深刻そうな顔を見て私は「あぁ、もしかしたら親戚にゾンビの1人や2人いるのかな」くらいは覚悟したよね。

 

そしたら、

「実は俺、1年浪人してるから今、23歳なんだよね」だって。

 

だからなにーーー!!??(心の声)

もうゾンビ映画にでてくる金髪女子のさけび声くらいシャウトしたよね。

(心の声だから聞こえないけど)

ゾンビ志望のくせに年齢なんて気にするな!って思ったよ。思うでしょうよ?

 

で、そんな彼はいま、モノ好きの(多分)奥さんとおしゃれな猫としあわせに暮らしているらしい。

 

猫の名前は、予想通り。

ゾンビの好物のかつおぶし持って今度新居に遊びにいこーっと。