みきピュ〜のバレンタイン
前の記事で紹介したみきピュ〜(しつこいようだけどみきピュ〜のピュ〜は、ピュ〜と吹くジャガーのピュ〜)が、高校生のときに一度だけバレンタインに手作りをしたことがある。
高校生のとき恋愛にご縁がなかった私たちも、バレンタインの日には「友だち同士でお菓子を交換する」という女子らしい文化を持ち合わせていた。
私や他の友だちが業者さんよようにてきぱきとお菓子をくばりはじめたとき、みきピュ〜は「実はな、今年はみき手作りしたから放課後まで待っとって〜(三重弁)」ともじもじしながら私たちをじらした。
なんとまぁ、あの調理実習事件の共犯者であるみきピュ〜が手作り!?
わたしはほんの少し、自分だけが取り残されたような気分になった。
そして放課後、
「みきピュ〜の手作りお菓子なに?」
「ちょうだい、ちょうだい」
とみんなが集まった。
みきピュ〜はいそいそとばかでかい袋を取り出した。
「おっきいね」
「何作ったの?クッキー?」
みきピュ〜が袋から取り出したのは、重箱だった。そしてその重箱の中には手作りの紅白餅がかわいらしく並んでいた。
「重箱!?」
「紅白餅って手作りできるの!?」
「なんでバレンタインに餅!?」
みんな口々にみきピュ〜に疑問を投げかけた。
わたしもびっくりしつつ「あぁやっぱりみきピュ〜は、ピュ〜と吹くジャガーのみきピュ〜だなぁ」と、心の中で安堵した。
それにしても、みきピュ〜の手作り紅白餅はふかふかで甘くて、おいしかった。
機会があればいつかもう一度食べてみたい。